サーバー直って良かった

ははっまた寝過ごしたorz
物凄く疲れていたのでかなり早い時間に寝たのですが、それなら早起き出来るかなあと思っていたら見事に寝過ごしました。起きたのは家を出なければならない5分前でした。しかし5分あれば支度できるので問題はありません。Tシャツにジーンズに洗顔に歯磨きで支度が済むこの切なさ。女らしさの欠片もありません。

ええと無事バイトも決まったので、どうやら連載を定時に更新することはますます難しくなりそうです。出来れば計画通りにしたかったのだけれど残念です。今後はサイトトップにて不定期更新ということで。早く車買わないとなあ……。

メールフォーム返信は一度書いたんだけどエントリーが消えましたorz
また書き直してきます……。

以下また何か書いてみた日記短文。今度は松田視点でLだった竜崎とそれを継いだ月のお話。

『神話』

 カロンて知ってますか。そうだね、それだ。忘却の川を渡してくれる渡し守。その川の水に触れるとみんな何もかも忘れてしまうんだけどね、カロンもやっぱり自分が誰で何のためにずっと死者を渡し続けているのか、忘れてしまっているんだ。うん。神話だね。
 だけど僕は神話を見たよ。僕はカロンがある日とうとう力尽きて死んでしまうところを見た。カロンさえもが死んでしまうところを見て、僕たちはこれからどうなってしまうのかと怖れたけれど、カロンはただ死んでしまっただけで、あとは舟から落ちて流されてしまった。忘却の川にね。きっとカロンはそのまま忘却の水に洗われて跡形もなくなってしまったんだと思う。影も形も見えなくなった。それから誰もがカロンのことを忘れた。それだけだ。他に怖ろしいことは何も起きなかった。
 それでもね、その時カロンは人を渡している途中だったから、舟の上にはまだ人が一人残っていたんだ。彼は当然川を渡らない訳にはいかないから、今度は彼が舟を漕ぎ始めた。彼は出来ればこちらの岸に戻ってきたいんだけど、岸に近づくとそこには必ず誰かが居て彼に渡してくれと頼むんだ。そうすると彼は渡してやらなければならなくて、そうやって忘却の川を往復するうちに彼は段々何も思いだせなくなっていく。彼はカロンになってしまった。
 本当の彼はカロンなんかじゃないし、そうするともしかしたら前のカロンももともとはカロンじゃなかったのかも知れない。だけど彼はもう自分の名前を憶えていないし、他の人々は自分が川を渡して貰うことしか考えていないから彼に名前を教えてやろうともしないんだ。これが僕の見た神話だよ。
 ……ん、大丈夫。そんなに酔った訳じゃないよ。酷いなあ。信じてくれないの?いいや違うよ、これは作り話じゃない。とても悲しいけど本当の話なんだ。信じてくれないか、僕は本当のことを云っているんだ。え、何だって?だから違うと云ってるだろう。いいか、僕は酔ってないしましてや狂ってもいない!
 いや、いや、いいよ。僕が悪かった。そうだね、僕は少し酔ってるみたいだ。そうだ。これは僕の考えたお話です。少しは君を楽しませられたかな。驚かせて悪かったよ。これを飲み終えたら僕は帰ることにする。僕はただの警察官だしカロンなんて見たこともないんだ。きっと永遠に見ることもないだろうね。死んでしまったら何もなくなるだけだし、僕たちは死後の世界に行ったりなんかしないんだ。
 ああ、いいんだよ、こんな話。すぐに忘れてしまえばいい。忘却の川なんかないよ。所詮は誰かの作り話だ。そんなものがなくたって僕たちは誰の事でもすぐ忘れてしまうじゃないか。うん。ごめんね。迷惑を掛けたみたいだし、僕はもう大人しく帰るよ。お休み。

(忘れてしまえ、何もかも)
(それが幸福というものだ)