続いてます

『呼吸(ry』3回目。

 竜崎がある日月を組み伏せたのには、しかし他意などはかけらもなかった。
 その日は午後から随分と天候が良かったので、二人はカーテンを開け放ったまま捜査を続けることにした。どうせ外からは中が見えないつくりになっている。
 そこで竜崎はしばらくぼんやりとしていたが、ふと想像の中の月ほどには実際の月の生活はそれほど嬉しくも楽しくもないのでは、と考えた。だって彼は人の目を気にせずには居られない。
 常に浮かぶ、人当たりのいい微笑。真剣な態度をあらわす眼差し。いつだって月はそうだ。もどかしいような気持ちばかり竜崎は味わされているようだ。
 そう思うとどうしようもなくて、気付けば竜崎は月をソファに押し付けていた。それは最初ただの子供じみた衝動だったし、そもそもが寛ぐ月を強くイメージしての行動だったが、抵抗と強要のあらそいがやっと一段落した頃には、二人とも荒い息をつきながら言葉もなく呆然としていた。無理矢理ソファに寝転ばされた月の髪は乱れ、寛ぎや安らぎからはどう見ても程遠い様相をしめしていた。それでいて竜崎のシャツや髪は月に掴まれたためぐしゃぐしゃになり、竜崎はますます理性的とは疎遠そうな外見になっている。

つづく。
……あれっどうしてこーゆー展開に……。