中華!続き

中華その2

 まずはオーソドックスに杏仁豆腐、胡麻団子、それから叉焼包に芋頭西米マンゴープリンウーロン茶プリン……ああ小豆羊羹なんかもあっただろうか。見ているだけでお腹が膨れるようだった。一体どれだけ食べる気なんだ。嫌々酒と自慢話に付き合わされながら月は竜崎から目が離せずにいる。 また竜崎がメニューを手に取った。ここは水にも値段がついているような店なので、竜崎がさっきから大量に消費している甘味類にも当然通常では考えられないような値札がついているのに違いなかった。それであれだけ大量に注文しているのだから、料金は一体どうなるのか。
 しかし引っかかる。先程から竜崎はメニューの中でも比較的料金も質も低いものばかりを選んで注文しているのだ。おそらく、順々にランクアップしながら甘味を全て制覇するつもりなのだろう。……これはそろそろ止めるべきなのだろうか。
「……そうだろう?夜神くん」
 男がいやらしい笑顔のまま顔を覗き込んできたので月は咄嗟に微笑をうかべて頷いた。この男、本当にしつこい。月は優柔不断な甘い考えを切り捨てた。
「はい、その通りだと思います……」
 視界の隅では竜崎がウェイトレスに大量の甜心を注文していた。

続く。